2005年末、ホビーセンター神保町本店で、魔虐の王メルキスを迎えた2000ポイントバトルイベントが開催された。アーミーブックの発表がイベント直前ということもあり、参加する趣味人たちは前日からの作戦会議に熱が入る。前回のイベントでの雪辱を願う趣味人も入れば、初めてのダークエルフとの戦いを楽しみにする趣味人もいた。もちろん、ダークエルフ側として参加する趣味人もいる。それぞれの想いを胸に、いよいよ当日を迎えることとなった。ギャラリーの多くが注目しているのは、もちろんメルキス。ミニチュアが置かれているだけで視線が集まる。そんなギャラリーからは嬉しい飛び込み参加もあり、バトル開始直前から、早くも盛り上がりを見せた。緊張感が漂うなか、アーミーの配置を終えると、両軍熱く握手を交わしてゲームが開始された。
リザードマン・ハイエルフ連合軍は入念な計画性を持って、暗黒大陸ナーガロスからの軍勢を迎え撃つ。戦場には魔虐の王メルキス本人はもちろん、彼に率いられた冷酷にして無慈悲な精鋭たちがズラリと並ぶ。対する連合軍も世界の叡智を頭脳に納めたスランをはじめ、世界に希望をもたらそうとする者たちがそろっていた。趣味人たちの顔つきから、両軍共に、自らの勝利を確信する自信が伺える。
宿敵同士の対決は、慎重な構えを見せるかと思えたが、ダークエルフ陣営が、度肝を抜かれるような大胆な行動に出た。対峙する両軍の均衡を破ったのは魔虐の王メルキス本人である。黒竜セラフォウンが大きく飛翔し、敵陣営へと降り立ったのだ。その存在感に恐れをなした連合軍の前線はどよめき、数多くの兵士が倒れていく。王自らが先陣きって戦う姿に、ダークエルフ陣営の趣味人たちは歓喜の雄叫びを挙げた。魔王の暴虐ぶりに、店内のギャラリーもザワつく。しかし、連合軍陣営の趣味人は焦る様子もなく、冷静沈着に状況を見つめている。その直後に彼らは秘策を持って逆襲に出たのだ。
暴虐の余韻に浸るメルキスめがけて、天罰とでも言うべき無数の稲妻が降り注いだ。前日からの連合軍趣味人たちの作戦会議は功をそうしたのだ。なんと、数人のウィザードによる稲妻の連打。さすがの魔王も倒れるかもしれない……そんな不安がダークエルフ側の趣味人たちを締め付ける。しかし、全ての呪文が唱え終わってもなお、戦場には魔王の姿が残っていた。
魔王健在! この結果に一喜一憂する趣味人たち。
この後、幾度となく降り注いだ稲妻によって魔王は倒れるものの、残された黒竜の暴れぶりは、それを見た者にモンスターの怖さを植え付けた。残されたダークエルフ軍は、徹底抗戦の強い意思を持って、敵本陣に襲い掛かる。敵めがけて正確に放たれる連射式ボルトスロアー“リーパー”は確実に敵兵を倒し、ウォリアーたちは敵陣営の中央を突破して、本陣まで迫る勢いを見せた。
ダークエルフ側の趣味人は、自らの運と知恵を搾り出し、果敢に攻める。だが、今回は、連合軍側趣味人の入念な計画の前に、退却を余儀なくされた。
両軍の趣味人がイベント終了後の握手を終えると、ギャラリーからも盛大な拍手があがった。まさに全力を尽くした決戦となった。ダークエルフの良さは、劣勢を強いられ始めた後半で発揮されていたし、スペシャルキャラクターであるメルキスとセラフォウンの凄さは、ゲーム開始前からの威圧感、そして連合軍の前線をほとんど壊滅させるほどの破壊力として見せつけてくれた。だが、何よりもイベント参加前から準備をして、心待ちにしてくれる趣味人がいたことが嬉しい。両陣営に趣味人が参加してくれたうえに、ギャラリーも大いに盛り上がってくれた。スタッフとしても、一趣味人としても楽しめるイベントに参加できたことは嬉しい限りである。
ストアスタッフ 大友 幸司