| コメント:まず、ミニチュア全体の鮮やかな色彩の変化に注目だ。赤から青・緑に、緑から黄色に、などなど、まさにディーモンらしい『魔力による現実世界での実存』を説得力あるペイントで表現したのが受賞の決め手となった。また、それぞれの色の境目もブレンディングによってしっかりとボカされているので『硬い』感じがせず、全体的に滑らかな印象、そして不可思議な生物感を与えている。ナイスだ。
全体的な配色を見てみよう。鮮やかではあるが色の置き方はしっかりと統一されている。角は角で、腕は腕で各パーツに同じ配色とグラデーションがなされているため、ここまで彩度の高い重層配色でありながら、破綻が起きていない。ベースデコレートは一転暗くまとめられ、ミニチュアを「食って」しまうことなく引き立てているのもイカす。つま先の爪が分かれるように削り込んであるのも好印象。
課題としては、「最期のツメ」。ベースとつま先をつなぐ真鍮線が目立ったのはザンネンだ。アピールポイントとして「削り込んだ爪」を見せているだけに、この真鍮線は完全に隠すか、黒など目立たないカラーでペイントすべきだった。ミニチュアの後方もしっかりと塗り込んではあるが、背びれ、また背中から太ももにかけての配色が前方に比べてあっさりしており、角の裏側のグラデーションも正面ほどの細やかさがなかったのがザンネンだ。とはいえ、これらはより長く手間をかけることで解決することであり、もはや技術的な課題ではないから、次回作ではぜひ、よりジックリとペイントに取り組んでみてほしい。
ペイント技術全般、特にパステル色相の配色とブレンディング技術では、日本トップレベルの作品。文句なしの入賞だ。おめでとう!「シングルミニチュア部門殿堂入り趣味人」として、今後ますますの活躍を祈ると同時に、次回以降、他部門での入賞にもおおいに期待しているぞ! |